理解度のレベルを上げる
理解度のレベルアップ
「木を見て森を見ず」というヨーロッパの言葉があります。近視眼的な人を揶揄する場合に使われたりする言葉です。
それ以外にも、考えが煮詰まってしまったときなど、一歩引いて考えてみると、今まで見えなかったものが見えてきます。
今まで木を見ていたのが、ちょっと林を見渡せるくらいでも、随分と違うものです。必ずしも森を見なくてもいいのです。
大多数の人は視野が狭く、近視眼的に見ていることが多いので、意識的に大局を見る癖をつけるだけで、他人を出しぬくことが出来ます。
同じ本を数年後に読むと、全く違った教訓を得ることが出来たりします。
書いてあることは同じですし、読んで理解できたと思っていても、実感して自分のものにしなければ深い理解はできないからです。
どんなに優れた理論や教えも、実行に移さなければ、ただの知識で終わってしまいます。
私は知識を得るために大量の本を読んでいます。次から次に読みたい本が現れるので、買っては読み、捨て、また新しいのを買って読んでいます。
そんな中でもいくつかの本は手元に残すようにしていますが、数年ぶりに同じ本を読むと、新しく得るものがあったりして面白いものです。
それは自分が人間としてレベルアップしているからこそ、新しい理解が生まれるのです。
最初に読んだとき、実は半分も理解できていなかった、と思い知らされることもしばしばです。
例えば私は、株やFX、CFD、先物など、投資関連の本を大量に読んだ時期があります。
しかも何度も何度も読み返し、脳に叩き込んだつもりでした。
実際に相場に振り回されたり、得したり損したり、実際の経験を積んでみてから、
これらの本を読み返してみると、同じ本でも全く違った内容に感じられます。
経験を得た後の実感が伴うからです。
情報収集の際に、本を読むことは重要なのですが、自分の経験とてらし合わせて「実感」しながら読むことで、
数倍から数十倍の理解が得られることになります。
「人間は自分よりレベルの低い人間の考えていることは理解できる」という言葉があります。
なんか人を小馬鹿にしたような言葉ですが、ものすごく実感できます。
裏返して考えれば「自分よりもレベルの高い人間の考えは理解できない」ということでもあります。
我々が大富豪の教えをいくら学んでも、それだけでは成長出ません。
大量のお金を持ったことがないので、彼らの境地にはなかなかたどり着けないのは、このためなのです。
私の場合、知らず知らずに自分のレベルが上がって来ているので、他人の考えていることが分かるようになってきました。
「この人はここを勘違いしてこういう発言をしている」ということが一瞬で理解できるので、
その勘違いを含んだ状態で、受け答えが出来てしまいます。
本来は間違いを直してあげるべきかもしれませんが、それが必要でない場合も結構多いものです。
そんな場合は相手の考えを理解し、求める答えを返してあげれば、喜んでくれます。
意識レベルの高い人間は、低い人間を理解してあげることが出来るのですから、人間関係をスムーズにコントロールすることが出来ます。
つまり、自分が主導権を握り、皆を幸せな方向に持っていくことが出来るのです。
決して「自分はレベルが高い」といった高飛車な態度を取ってはいけません。
あくまで人間の認識力の部分、ごく一部の能力が「高い」というだけでしかありません。
人間には数々の美徳があり、誰でも素晴らしいものを持っていることを忘れてはいけません。