潜在意識の抵抗
潜在意識の利用
目標をもって行動する際、覚えておきたいのは、「三日坊主」という言葉、習性です。
言いえて妙なこの格言(四字熟語?)、本当に3日かどうかはさておき、まさに人間の性を余すところなく表現しています。
願わくは自分自身に使いたくない言葉です。
何かを始めても、ある時期が来ると絶対に訪れるのが、「中止願望」、つまり「やめたい願望」です。
この願望に屈服すれば、
あっぱれ「三日坊主」の成就となります。
この願望は、目標に向かって突き進むあなたにとって、一番大きな壁といえます。
「面倒くさい」
「バカらしい……」
「何、頑張っているのだろう、俺ってダサい」
あなたの中にいるもう「ひとりの自分」が、「続けなくてよい理由」「止める理由」を探し出し、あなたを言い聞かせようとします。
これは、それまでの自分を保とうとする潜在意識が、急激な変化に抵抗しているからなのです。
これが潜在意識の抵抗です。
お金持ちになろうとして一歩進み出そうとすると、
「今までだって何とかやってきたんだから、このままでいいじゃん」
「失敗したらどうするの?」
といったネガティブな考えが、潜在意識からとめどなく湧いてきます。
これは、潜在意識が「あなたを守ろう」として発しているメッセージなのです。
「結婚」や「転職」など、急激に生活が変わろうとするとき、大きく心が揺さぶられ、
「止めるなら今だ」というメッセージが潜在意識からあなたに届きます。
潜在意識は「現状維持」を望んでいますので、急激な変化を抑えようとします。
500万年前アフリカで、巨大な地殻変動で森が急激に減っていました。
人とチンパンジーの共通の祖先達は、ひとつはそのまま森に居続ける道を選び、ひとつはサバンナに出て新天地を求めました。
サバンナに出たグループは大変だったに違いありません。肉食獣に襲われた化石も出ています。
現状維持を望んだ前者がチンパンジー、つまり猿のままなのに対し、後者は世界中に散らばり、人間になりました。
新しいものを求め、好奇心を持った我々人類の祖先が、この現状維持のメカニズムを打破してきたからこそ、今の我々があるのです。
我々は猿とは違うのです。
潜在意識のメッセージを受け取り、それを乗り切る力があるのです。
潜在意識のメッセージを乗り切れさえすれば、後は楽ですので覚えておいてください。
そして、潜在意識の中止願望に、決して負けないでください。
「潜在意識が抵抗している」ことを知ってしまえば、楽なものです。
「俺はやるんだ」
「私はやるんだ」
と口に出しているだけで潜在意識は変わります。突破できてしまうものです。
潜在意識の抵抗をはねのけ、さらに継続していくと、逆に続けることが当たり前になってきます。
「英単語を毎日5つも覚えられるわけがない」と思っていても続けていくうちに徐々に楽になり、当たり前になってしまいます。
毎日2キロ走るのも苦にならないし、バカらしく思うこともありません。
これは潜在意識への新たな刷り込みが成功したことを意味します。
こうなってくると急にやめようとしても、なかなか止められなくなります。潜在意識の好循環の始まりです。